親はいつもこどもの幸せを願っています。子供のためならどんなことだって出来ますよ、というのが一般的な親の気持ちでしょう。子供が病気にならないよう、事故にあわないよう、仕事が順調でありますよう、幸せな結婚をしてくれますようなどと挙げればきりがありません。
今朝がた仕事の電話が鳴りました。いつものように受けると遠慮がちに「こんなこと言っていいのでしょうか。なにから話したらいいのか・・・ちょっと・・・」と女性の声。「なんでも結構ですよ。思ったこと何でも話してくださいね。」と促すとぽつぽつ話し始めました。
息子が結婚相手が決まり、お相手の女性に会ったら大変感じの良い方であったこと。しかし、彼女は学生時代奨学金を受けており、返却中であることが心配の種になってしまったこと。聞けば彼女は優良企業に勤務し、女性の待遇もしっかりした会社だそうです。。何が心配かと問えば、彼女が返せなくなった時息子に支払い義務が回ってこないかということでした。
付け加えれば、たいていの親であれば娘が嫁ぐ際、借金などはきれいにして嫁がせるのではないかという親に対する不満も感じ取れるものでした。但し、先方の父親も一流企業勤務だそうです。ということで、昨晩の息子さんからの電話でその不安をぶつけてしまったとのこと。心なしか息子さんの声は震えて、お父さんも同じ考えだと告げると電話を切ってしまったそうです。
指輪も渡し、幸せの頂点にいる息子さんにとって一番喜んでほしい両親の言葉はどんなに悲しかったことでしょう。息子の幸せを一番願っている両親が、子供を悲しみに突き落としているのです。私は奨学金を受ける学生はしっかりと学問をし、将来設計もきちんとされているであろうこと、ご両親は教育方針として子供の将来に責任を持たせているかもしれないこと、また子供を信じているのだということ(あくまで可能性として)を話し、すぐに息子さんに電話を入れるよう話しました。
子どもを愛するが故の出来事ですが、親は子供を信じることから出発してほしいものです。きっと幸せな未来がこのご家族に訪れることを信じています。